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SPINE WEEKは2008年5月26日から31日まで,スイスのジュネーブで開催されました.SPINE WEEKは,4年に1度開催され,North American Spine Society(NASS),Sociedad Iberolatinoamericana de Columna Vertrbral Iberolationoamercan Spine Society(SILACO),Spine Society of Europe(EuroSpine),Scoliosis Research Society(SRS),Cervical Spine Research Society European Section(E-CSRS),The International Society for the Study of the Lumbar Spine(ISSLS)の合同学会です.一般口演は301演題で,ポスタープレゼンテーションは607演題が発表されました.採択演題数以上の参加者で,連日大変盛況でした.合同学会であることから,参会したことのない学会で採用された演題を聴く機会を得ることができました.発表で話題になる内容や,質疑応答の激しさも,学会ごとに特色が異なるということを知ることができました.
私は主に,ISSLSの発表を聴きましたが,メインイベントの一つに,ディベートがあります.腰痛の治療における文化的,科学的背景からの知見を駆使して手術の是非について,ときには,笑いを誘う内容で,聴衆を魅了していました.プレゼンテーション能力の高い先生が選ばれていると思いますが,どちらの発表にも賛同してしまうほどでした.また,一般演題と違い,演者が日常で働く臨床の一部を垣間見ることができたような興味深い発表でした.口演後に討論はなく,演者から投げかけられた問いは,宿題をもらったような気分にもなりました.もう一つのメインイベントとして,EuroSpineとISSLSから,受賞演題が発表されました.EuroSpineからの受賞2演題のうち一つは,千葉大学の山崎正志先生グループの脊髄損傷モデルを用いてのアデノウイルスベクターを介する脳由来神経栄養因子(BDNF)の遺伝子導入の基礎研究が選ばれました.ISSLSでは,Clinical,Biomechanics,Basic Scienceの3部門での受賞が発表されました.ISSLSの受賞口演に対しては,一般口演同様に,質疑応答の時間が設けられ,優秀な演題なだけに,活発な質疑応答が繰り広げられました.
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