Japanese
English
症例報告
頚髄硬膜内髄外に発生した気管支囊胞の1例
Cervical Intradural Extramedullary Bronchogenic Cyst : A Case Report
大和 雄
1
,
村田 英之
1
,
大谷 勝典
1
,
市川 哲也
1
,
長野 昭
1
Yu Yamato
1
1浜松医科大学整形外科教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
bronchogenic cyst
,
気管支囊胞
,
intradural extramedullary cyst
,
硬膜内髄外囊胞
,
chemical meningitis
,
化学性髄膜炎
Keyword:
bronchogenic cyst
,
気管支囊胞
,
intradural extramedullary cyst
,
硬膜内髄外囊胞
,
chemical meningitis
,
化学性髄膜炎
pp.675-678
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100714
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抄録:頚髄硬膜内髄外に発生した気管支囊胞の1例を経験した.症例は74歳女性で左肩関節痛,右半身温痛覚低下,歩行障害を主訴に来院した.左半身に筋力低下,深部知覚障害,深部腱反射亢進,右半身に温痛覚低下を認めるBrown-Séquard型の麻痺を呈していた.MRIではC3からC4椎体レベルにT1強調像,T2強調像でともに高信号を呈する頚髄硬膜内髄外の腫瘍性病変が認められた.手術は頚椎片開き式椎弓形成術により進入したところ,腫瘍は囊胞で,これを顕微鏡下に摘出した.病理組織学的所見で囊胞壁は多列の線毛上皮を有し,壁内に平滑筋,軟骨を認めたため,神経腸管囊腫の範疇に含まれる気管支囊胞の典型例と診断した.本症の術前診断にはMRIが有用であった.また本例では術後化学性髄膜炎を併発しており術中摘出時には囊胞内容物を漏出させないよう注意が必要である.
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