境界領域/知っておきたい
Runx2/Cbfa1とOsterix:2つの転写因子の骨格形成過程における役割
古市 達哉
1
,
小守 壽文
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科分子病態内科学講座
2科学技術振興事業団
pp.644-646
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100706
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【はじめに】
骨芽細胞の分化を支配する転写因子は長らく不明であったが,骨を欠損するノックアウトマウスの誕生により2つの転写因子が名乗りを上げた.ラントドメイン遺伝子ファミリーに属するRunx2(runt-related gene 2)/Cbfa1(core binding factorα1)とSp/XKLFファミリーに属するOsterixである.これらの遺伝子のノックアウトマウスでは骨芽細胞分化が著明に阻害されており,Runx2とOsterixは骨芽細胞分化に必須の転写因子であることが示された.Runx2欠損マウスでは軟骨細胞,破骨細胞の分化・成熟も阻害されており,Runx2の骨格形成における役割は多岐に及ぶ.Osterix欠損マウスでは軟骨細胞,破骨細胞への影響は認められず,骨格形成におけるOsterixの役割は骨芽細胞に限定される.
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