特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
5.胃
十二指腸断端の縫合閉鎖(器械縫合)
大谷 吉秀
1
,
石川 洋一郎
1
,
横山 剛義
1
,
久保田 哲朗
1
,
熊井 浩一郎
1
,
北島 政樹
1
Yoshihide OTANI
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.204-205
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903370
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はじめに
十二指腸断端の処理は胃全摘術(Roux-Y再建),幽門側胃切除術(Billroth-Ⅱ法再建,Roux-Y再建)などの手術の過程で必要な手技である.十二指腸では胆汁や膵液をはじめ多量の消化液が分泌されるので,縫合不全を生じると腸瘻を形成し,治療に難渋することが多い.
器械を用いた縫合閉鎖は初心者が行っても熟練した外科医が行っても大差なく,良好な結果が得られることが大きな利点である.しかし,実際には器械の使用の前段階として腸管をどのように処理するか,さらに当然のことながら縫合器の使用法について熟知していなければならない.そもそも患者の状態や局所の状況から,縫合する腸管が器械縫合に適しているかどうかの判断も重要である.
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