海外だより ボストン留学記・4
クリニカルカンファランスとSSO学会
小西 敏郎
1
Toshiro KONISHI
1
1東京大学医学部第2外科
pp.1501-1503
発行日 1991年12月20日
Published Date 1991/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900696
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病院でのカンファランス ニューイングランド・ディコネス病院の外科では,毎週月曜日の夕方5時半から術後合併症のカンファランス,水曜日朝7時15分からサージカルオンコロジーのカンファアンス,引き続き8時15分から外科全体での講演会,その後10時からSteele教授の研究室でのリサーチカンファランスが行われていた.木曜日の正午からは内科・放射線科・病理と合同で腫瘍カンファランスが毎週行われていた.いずれのカンファランスも前半は全例を提示してから,後半は2例ぐらいの特定例に限定して治療方針について熱心に議論をしていた.早朝のカンファランスでも居眠りをする人はまったくいない.医者に限らず企業社会でもそうであるが,アメリカでは日本でよく行われている夜の会合の習慣はほとんどないので,日中のこれらのカンファランスで徹底的に議論する.症例提示や講演が終わると,待ちかねていたように数人が手をあげて発言をもとめ討論が始まる.質問者も演者も,話し相手に憚ることなく,遠慮会釈なく自分が思っていることを滔々と述べていた.
ニューイングランド・ディコネス病院の外科では,術前の症例検討を行う会合はなかった.胃癌・食道癌や大腸癌の症例検討は,毎週月曜日の夕方の術後合併症のカンファランスや,水曜日朝のサージカルオンコロジーのカンファランスで提示されていた.
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