特集 鼎談
術中トラブルの予防と対策
肺・縦隔手術
気管支断端の処置
山口 豊
1
,
吉村 博邦
2
,
吉竹 毅
3
1千葉大学肺癌研究施設外科
2北里大学胸部外科
3埼玉医科大学総合医療センター外科
pp.1387-1391
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210486
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癌の浸潤が気管支断端に及んでいたとき
吉竹 今度は気管支の問題に移りましょう.気管支の場合は,出血というような,今すぐ処置しなければならない問題ではないのですが,術後の経過が問題になってくることがあります.手術をしていまして,術前診断よりも予想以上に病変が広がっていることがよくありますね.癌の手術の場合には,気管支断端の浸潤がプラスの時,切り上げるか,他の方法にするかということについて1つの方針が必要だと思いますが,いかがですか.
吉村 原則はもちろん腫瘍から2cm離すとかいわれていますけれども,実際には,特にsleeve resectionの場合にはギリギリで切っているのが実情ではないかと思うんです.そこで陽性であった時にどうするかということですが,単純な葉切の時に陽性であればもちろんsleeveにするなり,あるいは二葉切除するなり,機能が許せば全摘ということもあると思います.実際にはたとえ断端陽性でも,断端の創治癒そのものは問題ないようですので,ギリギリの場合はしょうがないので,そのままにして,あと放射線をかけるような方針にしています.
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