Japanese
English
論説
超音波洗浄器による手術前手指洗浄法の研究
Pre-operative hand washing by ultrasound apparatus
守屋 荒夫
1
,
田村 重宏
1
,
市川 忠次
2
Arao MORIYA
1
1東京都立清瀬小児病院外科
2東京都立清瀬小児病院検査科
pp.1213-1218
発行日 1970年8月20日
Published Date 1970/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205183
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はじめに
手術手技の向上と,抗生物質の進歩により,手術創の感染はいちじるしく減少してはいるが,手術前の手洗いは,今日でも必須条件として日常実施されている.しかも,その方法は,消毒石鹸の改良にともなつて,若干の変革こそ加えられたものの,約80年前に,Fürbringerの提唱した,ブラシ洗浄が,原理的には全く変更されずに行なわれているのが実状であつて,洗浄には少なくとも5〜10分は必要であり,またこの手洗い法に習熟しているか否かと,手洗いそのものにたいする注意力の如何によつて,洗浄効果の個人差を生ずることはさけられない.
われわれは,器械・器具類の洗浄用に開発された超音波洗浄装置を用いて,たまたま哺乳瓶を洗つていたところ,目盛りにつけていたエナメル塗料が剥脱することや,液内に入れた手の汚れが除去される点に着目し,消毒石鹸液内に超音波を発振して,その中に手を浸せば,手術前の手指洗浄ができるのではないかと考えた.
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