文献
Spinal fluid protein in tumors of the sellar region.
Louis Bakay
pp.39
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200746
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下垂体腺腫やトルコ鞍の腫瘍の場合の髄液蛋白量の問題は臨床的にも又理論的にも興味ある問題である。此等の腫瘍は初期には完全にトルコ鞍の中にあり髄液には影響を与えないが,腫瘍が成長し,鞍横隔膜を越し,頭蓋内腫瘍となると髄液に変化を与えると考えられている。
著者はトルコ鞍部位の腫瘍50例についてその位置,大きさ及びその臨床経過と髄液蛋白量との関係を検討した。(下垂体腺腫28例,クラニオフアリンジオーム10例,其の他12例で診断は気脳写真,手術及び剖検による)トルコ鞍内に限局する下垂体腺腫は髄液蛋白は正常である。トルコ鞍外に増殖した17例の下垂体腺腫は髄液蛋白は増加している。クラニオプアリンジオームや他の腫瘍ではその髄液蛋白との関係は下垂体腺腫程明かではないが,大部分が増加している。腫瘍の増殖,或は再発の場合には髄液蛋白は漸次増加していく。手術や放射線治療により,腫瘍の摘出或は増殖の止つた場合には髄液蛋白も減少する。
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