Japanese
English
短報
抗精神病薬による薬物治療中,横紋筋融解症を生じた1臨床例
A Case of Rhabdomyolysis during the Administration of Antipsychotics
高野 宗大
1
,
鈴木 利人
2
,
小泉 準三
2
,
高野 敬太郎
3
Munehiro Takano
1
,
Toshihito Suzuki
2
,
Junzo Koizumi
2
,
Keitaro Takano
3
1筑波大学附属病院精神神経科
2筑波大学臨床医学系精神医学
3医療法人光会東水戸病院
1Psychiatric Service The University of Tsukuba Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
3Higashimito Hospital
pp.97-100
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902780
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
Rhabdomyolysisは種々の原因により,骨格筋細胞の融解をきたす病態であり,精神科領域ではアルコール中毒やヘロイン中毒,けいれん重積などのほか,抗精神病薬の投与により生ずることが報告7)されている。このうち抗精神病薬によるものでは悪性症候群に伴い出現する例が多いが,抗精神病薬が筋細胞に与える影響については現在もなお不明な点が多い。
今回,著者らは抗精神病薬を増量したところ数日後からrhabdomyolysisとそれに続く急性腎不全を生じ,血液透析により軽快した精神分裂病の1男性例を経験した。本例は抗精神病薬により生じるrhabdomyolysisの発症に関し,従来の報告例と異なり悪性症候群に続発していない点で興味ある1例と思われたので若干の考察を加え報告する。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.