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私のカルテから
妊娠中の精神障害と思われたが,絨毛癌脳転移による器質性精神障害であった1例
A Case of Brain Metastasis of Trophoblastic Tumor Misdiagnosed as Mental Disorder in Pregnancy
山本 健治
1
,
原田 研一
1
Kenji YAMAMOTO
1
,
Kenichi HARADA
1
1名寄市立総合病院神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, Nayoro City Hospital
pp.1346-1347
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902759
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妊娠中の女性では,性ホルモンをはじめとした内分泌系の変化が生じ,「妊娠中の精神障害」として,不安・焦燥などの気分変調,易刺激性といった情動変化,発動性低下および対人様式の変化などが生じやすい2)。今回我々は,妊娠を契機にそのような精神症状を呈し,「妊娠中の精神障害」が疑われたが,その後,絨毛癌の脳転移が発見された1症例を経験した。脳腫瘍などの器質性障害でも同様の精神症状を呈することはまれではなく3),常に器質性精神障害を念頭に置いた診療を行うことの重要性を再認識した。日常臨床を行う上で示唆に富む症例と思われたので報告する。
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