Japanese
English
特集 認知行動療法の現在とこれから—医療現場への普及と質の確保に向けて
認知行動療法の職種拡大の方向性とチーム医療
Interdisciplinary Dissemination of Cognitive Behavioral Therapy in Japan
藤澤 大介
1
,
大野 裕
2
Daisuke FUJISAWA
1
,
Yutaka ONO
2
1慶應義塾大学医学部精神・神経科
2大野研究所
1Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
2Ono Institute
キーワード:
Cognitive Behavioral Therapy
,
Clinical Psychologist
,
Multidisciplinary
,
Nurse
,
Team
Keyword:
Cognitive Behavioral Therapy
,
Clinical Psychologist
,
Multidisciplinary
,
Nurse
,
Team
pp.413-418
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205378
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本邦における認知行動療法の歩みと現況
わが国で認知行動療法が注目されるようになったのは2000年代に入ってからのことである。2004年(平成16年度)から始まった厚生労働科学研究費補助金「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」,「精神療法の有効性の確立と普及に関する研究」,「認知行動療法等の精神療法の科学的エビデンスに基づいた標準治療の開発と普及に関する研究」(平成25〜27年度),(すべて主任研究者:大野裕)と続く一連の研究成果を受け,2010年度の診療報酬改定で,熟練した医師が30分以上をかけてうつ病に対する認知行動療法を行った場合に16回に限り診療報酬を算定できることになった。2016年度の改定では,うつ病に加えて,パニック障害,社会不安障害,強迫性障害,心的外傷後ストレス障害に医師が認知行動療法を行った場合に診療報酬が算定されることになった。
しかし,こうした定型的認知行動療法を実践する専門家の育成には膨大な時間と費用がかかる。2011年以降,個人認知行動療法の専門家を育成する厚生労働省認知療法・認知行動療法研修事業が実施されてきたが,大野の総説(本誌p399-403)にあるように,国民のニーズに十分に応えられるまでに至っていない。
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