連載 精神科の戦後史・3
クラーク勧告(1968年)の検証と今日の課題
伊勢田 堯
1
1代々木病院精神科
pp.311-318
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204899
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はじめに
D. H. クラークは,1968年にWHOからわが国に派遣され日本政府に地域精神医療を推進するための「クラーク勧告」を行った。当時の日本は,病院中心の医療体制に進むのか海外の諸国が目指している地域ケアに向かうのか,ちょうど分岐点にあった。
しかし,日本政府はこの勧告を受け入れることなく,国際的動向とは正反対の入院中心の医療体制を邁進することになった。戦後の精神医療史の中でひとつのエポックであった。
本稿では,現在を知るために過去を知り,未来を展望するためにクラーク勧告を検証する。
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