Japanese
English
短報
思春期女子にみられた祈祷精神病の1例
Invocations Psychosis: A case of an adolescent female
有賀 やよい
1
,
三木 秀樹
2
,
小林 豊生
3
,
中嶋 照夫
3
,
金井 秀子
4
Yayoi Ariga
1
,
Hideki Miki
2
,
Toyoiki Kobayashi
3
,
Teruo Nakajima
3
,
Hideko Kanai
4
1京都府立心身障害者福祉センター付属リハビリテーション病院
2黄檗病院
3京都府立医科大学精神医学数室
4京都教育大学学校保健教室
1Rehabilitation Hospital of Kyoto Welfare Center for Mental and Physical Handicapped
2Obaku Hospital
3Department of Psychiatry, Kyoto Prefectural University of Medicine
4Department of School Health, Kyoto University of Education
pp.203-205
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204289
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
祈祷精神病は,吉野7)よると「民間信仰ないし(近代)民衆宗教の儀礼(加持,祈祷,行,まじないなど),またはこれと関連する信仰状況において起こる心因性精神障害」と定義されており,臨床的には憑依症状群を主症状とし急性一過性に経過するといわれている。われわれは,学校でのストレス状況下において,人格変換,幻視,幻聴,意識混濁などの多彩な精神症状を呈した症例を経験し,その背景には家族ぐるみで某新興宗教に入信してから習慣となった読経後のトランス状態が存在することを見い出した。今回その病状の経過と発生原因について若干の考察を加えて報告する。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.