Japanese
English
研究と報告
精神症状を前景とした予後良好な脳炎
Three Cases of Benign Encephalitis Predominantly Presenting Psychic Symptoms
岡田 文彦
1
,
遠藤 雅之
1
,
斎藤 嘉郎
1
,
高橋 三郎
1
Fumihiko Okada
1
,
Masayuki Endo
1
,
Yoshiro Saito
1
,
Saburo Takahashi
1
1北海道大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Hokkaido Univ. School of Med.
pp.1013-1020
発行日 1972年11月15日
Published Date 1972/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201953
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病初期に発熱,意識障害,神経学的陽性所見などの脳炎症状を欠き,精神症状のみを前景とした予後良好な脳炎の3例を報告した。病初期より認められた主な精神症状は,ヒステリー症状および緊張病症状であり,これらの症状の背後には,把握困難ではあったが,軽い意識障害が存在したと考えられた。したがって脳炎としての診断は,脳波検査,髄液検査とともに,相当期間の経過観察ののちに,初めて可能となった。さらに,病状消失後も3例中2例に脳波異常が明瞭となったので経時的脳波検査の重要であることを付け加えた。
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