Japanese
English
特集 睡眠
Symposium・3
睡眠と脳波
Sleep and EEG
朝比奈 一男
1
K. Asahina
1
1The First Dept. of Physiology, School of Med., Toho Univ.
pp.841-845
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200500
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睡眠にともなうもっともいちじるしい現象の1つとして脳波の変化が知られている。原則的にいえば,覚醒中にみられる大脳皮質の低振幅速波,海馬でのゆるい律動波が,睡眠中には明らかに変化して,前者が高振幅徐波,spindle発現,後者が不規則な速波になるのである。したがつて皮質での徐波やspindleの発現と,海馬での不規則波は一応睡眠脳波と認められているし,事実この脳波は外観上の睡眠状態とよく対応するのである。
ところが外観上深い睡眠状態にあつて,外刺激に対しても高い閾値を示すにかかわらず,皮質でも海馬でも明瞭な覚醒脳波が続くことがある。この現象は古くから知られていてBlakeら1)はnull stageとよびGibbs2)らはこれが早朝に出やすい点からearly morning sleepと名づけている。その後多くの人々がこれを確認し,ことに最近一般に注意を向けられてきている。
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