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編集後記
S. I
pp.520
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101214
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最近首都圏で,精神科医は薬物中毒を治療するのではなく薬の売人になっている,背景に精神科クリニックの開業ラッシュがあるという番組が放送されたらしい。リタリンに始まり,今から問題になりそうなベタナミン,さらに中毒性のある薬としてデパス,セルシン,ソラナックスなどが一覧表で示され,これらの薬は十把一絡げで危険であるかのような印象を与える内容であったということである。この種のメディア姿勢は,一般の注意を喚起し患者が主治医との対話の中で認識を深める,という方向に働くのであれば特に目くじらを立てるようなものではない。しかしあたかも病院やクリニックは押しなべて悪いという印象を与え,医療不信と医師攻撃を助長するのであれば問題が多い。さらに,治療中の患者が不安になって服薬を中止し症状の悪化を来すようなことがあれば大問題である。
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