Japanese
English
短報
Risperidoneの剤形変更に伴い副作用に改善がみられた5症例
Decreased Adverse Effects with Risperidone Oral Solution:Report of five cases
上村 恵一
1
,
高橋 義人
1
,
安田 素次
1
Keiichi UEMURA
1
,
Yoshito TAKAHASHI
1
,
Motoji YASUDA
1
1市立札幌病院静療院
1Department of Psychiatry, Sapporo Municipal General Hospital Seiryo-in, Sapporo, Japan
キーワード:
Risperidone
,
Oral solution
,
Adverse effects
,
Prolactin
Keyword:
Risperidone
,
Oral solution
,
Adverse effects
,
Prolactin
pp.773-775
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100297
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
Risperidone(以下RIS)は日本で認可された最初の新規非定型抗精神病薬であり,統合失調症の陽性症状だけでなく,陰性症状にも効果があると報告されている2,7)。非定型抗精神病薬は,定型抗精神病薬に比べて錐体外路系副作用が生じにくく,高プロラクチン血症を来しにくいとされている7)。しかし,RISは新規非定型抗精神病薬の中では最も錐体外路症状が出現しやすく6),また高プロラクチン血症を来しやすい薬剤であるといわれている1,5)。錐体外路症状はいうまでもなく患者のADL(Activities of Daily Living)を妨げ,一方,高プロラクチン血症は無月経,性機能障害,骨密度の低下などを惹起することが指摘されている8)。
今回我々は,妄想型統合失調症(ICD-10:F20.0)と診断され,RIS錠剤から同用量の内用液に剤形変更されたA病院に通院もしくは入院中の患者5名を対象に,変更日および変更8週後に,BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale),DIEPSS(Drug-Induced Extrapyramidal Symptoms Scale),および血中プロラクチン濃度をおのおの評価,測定したところ興味深い結果を得たため,若干の考察を加えて報告する。なおRISはいずれも夕食後1回投与であり,血中プロラクチン濃度測定のための採血は午前9~10時の間に施行した。また,対象の患者のうち4名については患者本人から,高齢にて疎通不良の1名については家族から口頭にて同意を得て,剤形変更を行った。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.