Japanese
English
増大号 消化管疾患の分類2024
小腸・大腸
腸結核
黒丸の分類
Kuromaru's Classification
小林 広幸
1
1福岡山王病院消化器内科
pp.588-589
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203584
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
定義
黒丸の分類とは,病理医の黒丸が未治療肺結核患者の死後に病理解剖した十二指腸から大腸における腸結核の粘膜病変(主に潰瘍性病変)をくまなく詳細にスケッチ記述し,おのおのの病変とその病理組織像を対比・分析し,腸結核の発症初期から終末期に至る潰瘍性病変の進展様式(形態学的特徴)について分類したものである(Fig.1)1).後述する原典を要約した黒丸の著書「腸結核症の病理」1)の原文をそのまま記載すると,第I型は初期の病変で粟粒大ないし麻実大の結核結節である.第II型は結核結節の壊死物質が粘膜を破って腸腔に排出され,小潰瘍を形成したものである.第III型はそれがやや大きくなり,小豆大または扁桃大となったものである.第IV型は,腸の横軸方向の潰瘍で,輪状または帯状潰瘍と言われるものである.長径2cm以下のものをIVA型,2cm以上のものをIVB型とした.第V型は縦軸方向の長径2cm以下のものをVA型,2cm以上のものをVB型とした.VI型は円形または類円形の潰瘍で,扁桃大以上のものである.第VII型は不整形潰瘍で,扁桃大以上である.第VIII型は潰瘍が互いに融合し,広範な潰瘍となったものである.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.