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編集後記
新井 冨生
1
1東京都健康長寿医療センター病理診断科
pp.365
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203154
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内視鏡ESDが食道表在癌の第一選択の治療法となってから十数年が経過した.現在では,ESD後の経過観察中,瘢痕上に出現する病変をどう診断し,治療するかといった新たな難問が出現してきた.そこで本号では,食道ESD後の瘢痕部およびその近傍の病変に焦点を当て,実態の解明,診断・治療に関する問題点を抽出し,このような病変にどう対応するかについてまとめることを目標とした.
かつて食道癌の治療法として開胸外科的切除術が主流であったが,医学の発達とともに化学放射線療法,内視鏡的切除術などの選択肢が増えてきた.特に表在癌に対しては低侵襲性の内視鏡的切除法が開発され,2008年に食道ESDが保険収載された.その後,内視鏡ESDを実施した患者の瘢痕部およびその近傍に新たな病変が認識されるようになってきた.この経緯について,序説の小山論文が簡潔にまとめている.また,序説では今後の課題についても言及され,本号の注目点を解説している.
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