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編集後記
二村 聡
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1福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科
pp.381
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202289
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本号は55巻4号(2020年4月号)の「内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス」の姉妹編です.まず,海崎泰治氏とともに骨組みを作り,臨床側から山野泰穂氏を迎えて実地診療に役立つように企画しました.内視鏡医の方々にも“ぜひ共有してほしい”,病理診断領域のエッセンスをまとめた特集号です.本号のタイトルにはそのような願いが込められています.知らないと診療に支障を来すというネガティブな意味ではなく,知っていると診療にきっと役立つという,われわれ病理医からのメッセージとして受け止めてほしいのです.
筆者が申し上げるまでもなく病理診断には臨床情報が欠かせません.同様,臨床診断にも病理学的情報が必要です.すなわち,臨床医と病理医の“双方が情報を共有する”ことは,質の高い医療を遂行するために必要です.だからこそ臨床医と病理医は,日頃から良好な意思疎通を心がけておく必要があります(ただし,過信と盲信は禁物です).そうすることによって,病理診断の“限界”をなるべく最小限にできると考えられます.このことは海崎氏の総説の中で詳しく述べられています.
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