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編集後記
平澤 大
1
1仙台厚生病院消化器内科
pp.1683
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201896
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2018年4月号の胃と腸「腸管感染症—最新の話題を含めて」の上部消化管編として本号は企画された.上部消化管を構成する臓器の特徴として,食道は強固な扁平上皮に覆われ,胃には胃酸が満ち,十二指腸には消化性酵素が分泌され,病原微生物が活動するには過酷な環境である.それゆえH. pyloriや軽度のカンジダ症,劇症型アニサキスなどの一部の感染症以外は,臨床現場では遭遇頻度の低いまれな疾患である.ただし,近年はHIV感染による免疫不全やステロイド薬の長期内服,化学療法中など免疫能低下状態の患者が増加し,上部消化管感染症の知識を得ておくことは重要である.
そのような時代背景も踏まえ,本号は蔵原,海崎,平澤が企画を担当した.まれな疾患を可能な限り網羅することを考え,各論はアトラス形式で解説を行った.また腫瘍性病変を惹起する感染症をノートとして取り上げ,carcinogenesisに関する最新の知見も掲載した.
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