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編集後記
門馬 久美子
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1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科
pp.267
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403114083
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今回,「日本食道学会拡大内視鏡分類」をテーマに取り上げた.食道の拡大内視鏡観察は,井上,有馬らの研究により,食道扁平上皮癌の質的診断,深達度診断に対する拡大内視鏡の有用性が証明され,作成された井上分類,有馬分類が使用されてきた.最近の画像強調内視鏡の開発に伴い,食道の拡大観察がより一般化されつつある中,より簡便で初学者にも使いやすい拡大内視鏡の分類の作成が望まれ,幕内元日本食道学会理事長のもと,小山恒男を委員長とする「拡大内視鏡による食道表在癌深達度診断基準検討委員会」が開かれ,日本食道学会拡大内視鏡分類案が作成された.
「日本食道学会拡大内視鏡分類」は,小山より解説されているが,食道扁平上皮の基本的な血管構造であるIPCLに注目し,拡張・蛇行・口径不同・形状不均一を示すループ状の異常血管をB1,ループ形成に乏しい異常血管をB2,B2の3倍以上の不整な血管をB3とした.また,Type B血管で囲まれた無血管あるいは血管が粗な領域をAVAとし,AVAの大きさから,small,middle,largeの3つに亜分類した.付記事項で,不規則で細かい網状血管をType R(reticular)とした.血管形態に基づいた日本食道学会分類の有用性と限界を明らかにする目的で,本号を企画した.
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