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編集後記
細川 治
1
1国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院
pp.297
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113115
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菅井有,九嶋亮治とともに今回の企画を担当した.期待以上に読み応えのある内容になったと感じている.
胃生検Group分類が改訂されてからほぼ2年が経過した.改訂の理由は国際的分類(Vienna分類)との整合性や異型度分類から質的分類への転換などとされている.本音のところでは,胃生検材料に向き合った病理医は腫瘍か非腫瘍かの鑑別を最初に行い,腫瘍であれば良性か悪性かの判定を行うという思考過程を辿り,新分類がそのプロセスに沿うこともわかった.臨床側からの要望に応える姿勢が大いに見て取れるものの,新分類にはVienna分類の核心的要素である浸潤の有無が組み込まれておらず,生検分類の国際的共有化を進めるといっても,根本の診断基準の共有化が進んでいないではないかという批判も十分に理解できる.
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