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編集後記
木村 健
pp.1216
発行日 1987年10月25日
Published Date 1987/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112964
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琉球海邦国体での閉会式の最中,神秘の金環日蝕が到来,一瞬感動的な静寂に包まれた.両国秋場所では放駒部屋大乃国の横綱への昇進,秋爽やかである.
1898年フランス内科医Dieulafoyにより“Exulceratio simplex”として記載されたいわゆるDieulafoy潰瘍は緊急内視鏡の普及した現在,とみに関心を集めている.原典に忠実になれば,当然切除胃による病理形態学的検索により,粘膜下層の異常に太い動脈の破綻を証明しなければならない.しかし近年,内視鏡的止血法の進歩により,Dieulafoy潰瘍を含め出血性潰瘍の多くは内視鏡的に止血され,切除されるには至っていない.ここ数年,Dieulafoy潰瘍と診断される症例の数は著しく増加しているが,これは非手術例の増加によるところが大きい.今後,この傾向は更に強まるものと予想できるが,この背景において,Dieulafoy潰瘍を改めて見つめ直すことも意義あることであろう.
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