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編集後記
長廻 紘
pp.700
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110374
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前回本誌で大腸の生検が取り上げられたのは9巻2号(1974年)であり,食道生検と併せての企画であった.全大腸から生検が採れる,といった内容であり,12年後の今回は炎症だけにしぼっても,量的に相当増えたものになった.
個人的には大腸炎の診断に生検が果たして必要かどうか以前より疑問を抱いていて,その解決に立ち向かったつもりであるが(潰瘍性大腸炎),対象が巨きすぎることもあって無難なものにおさまったような気がする.Crohn病に関しては浜田論文で肉芽腫の採取部位,出現率について現時点の結論としうるデータが得られたと思う.急性腸炎については疾患の性格上生検によるfollowは書きづらい点もあったと思うが,力作が得られた.ただし腸アメーバ症の論文では残念ながら生検にはあまり触れられていなかった.
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