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編集後記
小林 絢三
pp.1264
発行日 1986年11月25日
Published Date 1986/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110150
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消化管病変の形態学的極限を,現在,望みうる最高の視覚条件で提供し,その分析から病態の本質を明らかにすることを基本姿勢とする本誌において,どちらかというと種々の要因が複雑にからんだ胃粘膜防御機構なる現象を取り上げることについては多くの批判があったが,紆余曲折を経て特集として日の目を見ることになった.既に,粘液物質,アルカリ分泌,粘膜血流,細胞回転,ならびに生理活性物質であるプロスタグランディンなどの動態についての追究が進み,その相互関係についても,徐々に解明されつつある.しかし,これらの要因は動物あるいはヒトにしても,急性の胃粘膜病変を場としたものであり,ヒトの慢性潰瘍との間に相当の隔たりのあることも常に指摘されていることも事実である.
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