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海外文献紹介「急性Crohn病の初期治療としての成分栄養療法:対照試験」
横田 史津子
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.282
発行日 1985年3月25日
Published Date 1985/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109753
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Elemental diet as primary treatment of acute Crohn's disease: a controlled trial: Morain, Ó', Segal AW, Levi AJ (Br Med J 288: 1859-1862, 1984)
この研究はCrohn病の急性期に,成分栄養投与による治療を対照試験によって検討した最初の報告である.Crohn病の急性増悪は普通prednisoloneや免疫抑制剤や手術によって治療されている.今回,Crohn病急性期21人の患者をランダムに2群に分け,10人に0.75mg/kg/dayのprednisolone治療,11人には紅茶とコーヒーのみ許可し,Vivonexの成分栄養投与で治療を行った.両群とも4週で80%の寛解を認め,成分栄養投与群もステロイド治療群に匹敵する効果を示した.両群を比較すると体重は治療開始4週後と3か月後でステロイド治療群が一貫して増加し,成分栄養投与群は減少または横ばいであった.ただステロイド群は4週後も10~20mg/dayの投与を受けており,成分栄養群は終了後治療は全く受けていない.ヘモグロビン濃度は3か月後で成分栄養群のみ維持され,アルブミンは両群とも明らかに増加し,血沈も改善した.
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