--------------------
編集後記
大柴 三郎
pp.784
発行日 1983年7月25日
Published Date 1983/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109494
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
潰瘍性大腸炎(以下UC)特集の小委員会で本誌の特徴をできるだけ生かし診断学および鑑別診断を考慮したが,以前の特集以上に新しい見解が出そうもないという意見が強く,経過と治療を中心とし,病因論に関しては座談会で取り上げようと決定された.
従来UCの初期像に関しては寛解期の像から推定されてきているが,あくまで治癒期または瘢痕期の所見であり初期像ではない.UCの初期像が探求されたとき再び診断学が塗り代えられるべきであろう.日常臨床の場で血便を主訴とし速やかに内視鏡・X線検査が施行され,アフタ様潰瘍や直腸炎の所見がみられるが,ごく短時日で自然治癒あるいは数日の治療で治ってしまうような病変に遭遇する.非特異性直腸炎と言われる病変であろう.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.