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編集後記
井上 晴洋
pp.386
発行日 2008年3月25日
Published Date 2008/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101309
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本誌では,これまで食道扁平上皮癌の診断と治療はしばしば取り上げられており,また「特殊組織型の食道癌」は40巻3号(2005年)に取り上げられている.しかしながら,"食道良性腫瘍および腫瘍様病変"に的を絞りこんだ企画はこれまでにみられなかった.日常臨床で扁平上皮癌を診断・治療していくにあたり,その鑑別診断として良性疾患の詳細な知識が重要であることは言を待たないが,良性疾患そのものの画像診断と病理を1つ1つよく理解しておくことが食道病変を総合的に理解するうえで重要である.またまれな良性腫瘍様病変の診断は,特殊な悪性腫瘍の拾い上げの背景としても役立つ.今回の企画は,編集委員のなかでも特に岩下明徳先生(福岡大学筑紫病院)の強い推薦のもとにここに至った.食道を専門として研究している施設であっても,本特集にまとめ上げられた症例のすべてを網羅して経験されている施設は少ないと思われる.また各執筆者には詳細な文献のレビューと考察をいただいた.さらに,拡大,NBI拡大,超音波内視鏡と最新の診断技術を駆使してすばらしい特集ができあがった.本号は,咽頭・食道で見慣れない内視鏡像に出くわしたおりの座右の書となったと確信するとともに,各執筆者の先生方のご尽力に改めて感謝申し上げる次第である.
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