今月の主題 糖尿病の患者を受け持ったら
治療目標を患者と共有するためのevidence
高脂血症合併糖尿病のコントロール目標とevidence
井上 郁夫
1
,
片山 茂裕
1
,
山田 信博
2
1埼玉医科大学第4内科
2東京大学医学部第3内科
pp.1903-1905
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907212
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ポイント
●糖尿病患者にみられるリポ蛋白異常の機序の主要なものは,低比重リポ蛋白(LDL)受容体活性低下による高コレステロール血症と,血中でのリポ蛋白リパーゼ(LPL)活性低下による中性脂肪リッチリポ蛋白の停滞である.
●血中で中性脂肪リッチリポ蛋白が停滞すると,動脈硬化促進リポ蛋白であるカイロミクロンレムナント,超低比重リポ蛋白レムナントおよび小粒子高密度LDLが上昇する.
●高コレステロール血症は,動脈壁でのフリーラジカルにより生じる酸化LDLが生成され,動脈硬化を進展させ,プラークの被膜の脆弱化をさらに助長させる.
●中性脂肪リッチリポ蛋白が停滞する糖尿病患者の場合,LPL活性を上昇させるフィブラート系薬剤が適している.
●高コレステロール血症を有している糖尿病患者の場合,HMG-CoA還元酵素阻害剤が適している.
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