今月の主題 わかりやすい心電図の臨床
心電図の読み方
心電図の読み方の基本
小沢 友紀雄
1
1日本大学医学部・第2内科
pp.900-904
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900227
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心臓に発生した電気的興奮は,同時に伝導体である身体各部に伝わり電場を生ずる.この電場(主に体表)に電極を置いて心臓の活動電位を心電計に誘導し,増幅記録したものが心電図である.すなわち,心臓の主な生理学的特徴である自動性,伝導性,興奮性,収縮性(拡張性)のうちで,前3者の電気的現象の把握を主体とする検査法であることを忘れてはならない.心臓の形態的あるいは機械的側面を解析するには,心電図は電気現象の変化を介しての間接的検討であり,確定診断には他のより直接的な検査法を必要とする.一方,不整脈の診断には心電図が欠くことのできない検査であり,他の疾患でも心電図のみで診断の確定するものもある.心電図の判読にあたってまず第一に留意すべきは,こうした心電図の特徴と有用性を理解し,限界をよくわきわまえることにある.その上で心電図を使いこなせば,検査法の簡便さ,再現性の良さ,患者への負担の少なさ,普及性,情報量の多さなどきわめて有用な検査法であることが理解されよう.
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