書評
—井上 浩輔,杉山 雄大,後藤 温 著—医学研究のための 因果推論レクチャー
玉腰 暁子
1,2
1北海道大学大学院・公衆衛生学
2日本疫学会
pp.2157
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229879
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近年,医学・公衆衛生学において因果推論の重要性が高まっています.因果推論によって,より適切な治療や保健指導法を選択できるようになるのはもちろん,医療資源の配分を検討する一助にもなるからです.本書『医学研究のための因果推論レクチャー』は,日本疫学会や日本公衆衛生学会でも活躍されている新進気鋭の研究者である井上浩輔先生(京都大学大学院特定准教授),杉山雄大先生(筑波大学教授/国立国際医療研究センター研究室長),後藤温先生(横浜市立大学主任教授/日本疫学会理事)が,臨床疫学研究や疫学研究に携わる方々に向けて,因果推論の考え方と手法を解説した一冊です.
医学研究のなかでも特に治療や予後を扱う臨床研究や病因を扱う疫学研究の目的は,介入できる要因を見つけ,適切な治療法や予防法を見出すことです.そのためには,単に統計学的な関連にとどまらず,因果にいかに迫るかが重要なのは,研究に携わるすべての研究者が認識している点でしょう.
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