書評
—一般社団法人 日本蘇生協議会 監修—JRC蘇生ガイドライン2020
小林 欣夫
1
1千葉大学大学院・循環器内科学
pp.79
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227996
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心肺蘇生は待ったなしです.心肺蘇生の開始が1分遅れるごとに救命率が10%低下すると報告されています.このために的確な心肺蘇生を行い,命を救わなくてはなりません.しかしながら,それだけでは不十分です.命を救うとともに,高次脳機能障害などを起こさせない,またはなるべく軽くしなくてはなりません.このために心肺蘇生を行う人の技量・知識が非常に重要です.
日本蘇生協議会(JRC)は,医学系の18の学術団体と救急・蘇生教育を推進する関連5団体の計23団体で構成されている救急蘇生科学に関するプロフェッショナル集団です.2002年に設立され,心肺蘇生法に関する世界的なガイドライン作成の日本の窓口として国際蘇生連絡委員会に参画しています.国際蘇生連絡委員会は蘇生関連のトピックに関してエビデンスを網羅的検索・解析し,国際的なガイドライン作成方法であるGRADEシステムを用いてガイドラインを作成しており,これは国際標準となっています.日本蘇生協議会もこれに基づいて2010年,2015年にガイドラインを作成し,この度5年ぶりの改訂版の出版となりました.
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