特集 日常診療で内分泌疾患を見逃さない!
扉
田辺 晶代
1
1国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科
pp.1310-1311
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227745
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
内分泌疾患は適切な診断・治療により,治癒あるいは良好なコントロールが得られる症例が多い.一方で,治療が遅れるとホルモン過剰や欠乏による全身性の合併症により,時に非可逆性の障害が引き起こされる.そのため早期診断・早期発見が重要である.しかし多くは稀少疾患であるため,教科書で勉強した記憶はあっても症例経験が豊富な内科医は少ない.さらに教科書に記載されているような典型的な症候や検査所見を呈する症例ばかりではないことから,一般医家が日常診療で内分泌疾患を想起することは難しい.
内分泌疾患を疑う契機は電解質異常,生活習慣病の急な悪化,特徴的な身体所見などである.内分泌疾患を疑う,あるいは否定したい場合は,外来でのスクリーニング検査である程度その可能性を確認してから外部施設の専門医に紹介したいと考えるかもしれないが,スクリーニングに必要なホルモン検査項目の選択や結果の解釈に悩む場面が多いと考えられる.また,逆紹介された際の情報提供書に記載されている負荷試験の結果判定は難解で,その後のフォローに戸惑うことも予想される.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.