特集 自信をもって対応する—虚血性心疾患
虚血性心疾患を見逃さないための診断法
急性冠症候群の臨床症状
古川 裕
1
1神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科
pp.1772-1774
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225145
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Point
◎急性発症の胸痛,背部痛,心窩部痛をきたす疾患との鑑別診断が必要になる.具体的には,急性大動脈解離,肺塞栓症など循環器疾患のほか,気胸や食道痙攣などの上部消化管疾患が含まれる.
◎今ある症状以外に冠危険因子などの患者背景の情報も重要である.患者背景から可能性が低いと判断される場合でも,急性冠症候群など重篤な病状に陥る可能性がある疾患は安易に鑑別診断から除外しない.
◎罹病期間の長い糖尿病患者,高齢患者(特に女性),冠動脈バイパス手術(CABG)後患者など,無痛性心筋虚血を生じやすい患者群には注意が必要である.
◎不安定狭心症が疑われる患者では,“不安定さ”を見極める問診により緊急入院が必要な患者を見逃さないようにする.
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