今月の主題 胃癌とその周辺
胃癌の治療
放射線療法
金田 浩一
1
,
杉山 丈夫
1
1癌研付属病院放射線科
pp.706-707
発行日 1979年5月10日
Published Date 1979/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215882
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はじめに
胃癌に放射線は効かないと考えられてきた.他の癌に比して放射線感受性が低く,所属リンパ節転移の範囲も広く,開腹しなければ転移の状況が不明で,広く照射しようとすると腸管障害が起こり癒着に苦しむようになる.従来,照射療法は癌の圧迫による通過障害,痛み,または再発,転移に対する対症療法として用いられるのが実状であつた.
しかし,ときとして照射による著効例が経験され,装置,放射線生物学も進歩し,化学療法,手術との併用の研究も進み,胃癌に対する放射線の適用も各方面から熱心に研究されるようになった.
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