今月の主題 痛みとその対策
痛みの生理
関節痛
玉川 鐵雄
1
1東大物療内科
pp.609-611
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206545
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神経については未解決の問題が多いが,中でも,客観的な評価に乏しい痛みという現象についてはとくに著しい.しかし,痛みの現象は臨床的には最もしばしば遭遇する症状で,医師にとっても,患者にとっても関心の深いものである.しかし,何故痛いかということになると,尽きることのない問題を提起する.その中でも,現実に,訴えとして最も普遍的であるといえる関節痛は,同じ痛みの中でも,その詳細について最も記載の少ない分野である.そこで,文献を中心としてこの関節痛*の生理について述べようと思う.
痛みを痛みとして認識するのは大脳の働きであるが,そこに痛みとして感じるのには一定の法則にしたがっていることは確かで,求心性の知覚神経のうち,痛みを伝えるある一定の神経の末端,すなわち受容器か,または神経線維に,正常と異なった条件の環境が起こった時に生ずるもので,その原因となるものを一般に刺激といい,物理的あるいは化学的のものとを区別している.
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