臨床メモ
あせもの処置
船橋 俊之
1
1虎ノ門病院・皮膚科
pp.1129
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201874
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「あせも」の発生機転のうち,とくに大きな役割をはたしているのは,皮膚の表面が汗でぬれていることである。これによつて表皮角層の浸軟膨化が起こり,汗孔を閉塞し,その結果表皮内に汗の貯溜をきたし,その刺激によつて起こる炎症が「あせも」の本態とされている。この汗貯溜現象には,このほかに細菌の作用が関与し,また増悪させる。
したがつて「あせも」の処置は発汗抑制をはかることはもちろん,皮表の乾燥保持,清浄化の3つのことに意を用いればよい。ただし,すでに発生してしまつた「あせも」は湿疹性変化と同一と考えてよく,これに対しては湿疹と同じ処置をあわせ講ずればよい。
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