今月の主題 内科疾患の予防戦略
扉
福原 俊一
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1京都大学大学院医学研究科医療疫学
pp.1133
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105252
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時代は今,疑いなく予防である.「疾患の正確な診断と治療による疾病の克服」という従来のモデルから,「疾病の発生予防,疾病の進展予防,疾病との共存によるQOLの維持・改善」のモデルに移行しつつある.
このような時代にあって,内科医は,患者あるいは住民と最初にコンタクトし,かつ最後まで責任をもって見届ける存在であることから,予防医療における役割はきわめて大きい.実際の調査データからも,市中病院の内科医が対応する患者のプロブレムの第1位は,「検診結果の異常」であることがわかっている.特に,現在の日本において,国家レベルで主要な疾病負担となっている糖尿病,心脳血管疾患,悪性腫瘍,腎疾患,精神疾患は,予防医療の主要な標的であり,これらのほとんどは内科医が対応しているプロブレムである.そのため,内科医が予防医療の中核を担うことに疑いの余地はない.
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