「デキル!」と言わせるコンサルテーション 第4回
コンサルテーションのピットフォール
川畑 雅照
1
1虎の門病院呼吸器科・医学教育部
pp.710-712
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100121
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お昼の職員食堂でそれは始まった
(お昼の職員食堂.食事中の研修医の横に専門医が座って会話が始まりました.)
■専門医:「久しりぶりだな.総合内科は忙しいか?」
●研修医:「ええ,相変わらずで……ところで,先生,酸素を吸入しても呼吸が苦しいって訴えるときは,どうすればいいんですか?」
■専門医:「PaCO2は? 精神的なものでも苦しくなることはあるから,外来の神経質な患者さんにはマイナー・トランキライザーを出すこともあるね……」
(と言いかけて,彼は向いに座った別のドクターに話しかけられて「いやぁ,そうなんだよ.うちの科も最近急患が多くって…」と別な話題となりました.)
(そして,その日の深夜,専門医の自宅の電話が鳴りました.)
●研修医:「先生,お昼にコンサルテーションした患者さんですが,深夜から急に呼吸状態が悪くなって……」
■専門医:「なに? そんなコンサルテーション受けた覚えないぞ!しょうがない,とりあえず行くから」
(そして,患者さんを診た専門医は仰天しました.高炭酸ガス血症をきたしたCOPDに呼吸抑制の強い抗不安薬と高濃度酸素が投与されて下顎呼吸になっていたのです.)
■専門医:「バカ野郎! こんな患者に酸素10l吸わせたうえに,セルシンなんか点滴するやつがいるか! すぐ,挿管の準備だ!」
●研修医:「え,えーっ……」
“昼飯コンサルト”をしない
別名“食堂コンサルト”,私たちの病院では“虎亭コンサルト”とも言われていますが,昼飯を食べながら研修医が上級医あるいは専門医にコンサルテーションすることです.
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