特集 新しい地域保健の視点—実践例に学ぶ方法論
健康な町づくりへの新たな取り組み—地域における聴力障害の現状把握と社会的支援の模索をとおして
飯法師 直美
1
,
宮北 隆志
2
1熊本県蘇陽町役場
2熊本大学医学部衛生学教室
pp.33-36
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902956
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①生活レベルでの障害を捉える
②相互学習をとおしての協働作業
③得られた知識や情報を変化につなげる
「目に見えない」気づかない障害としての聴覚障害は地域における社会生活への参加あるいは,社会的役割の遂行を大きく阻害する一つの要因であるが,その障害に関する問題点やその性質,大きさについては十分な認識・理解がなされていない.車いす使用者や視覚障害者対策としての「段差のスロープ化」や「点字プロック」や「音響信号機の敷設」などは徐々に実施されているものの,中途失聴者や難聴者に関する「聞こえの保障」や「音環境の整備」に関しての取り組みは皆無に等しい.まして聴覚に関する専門職種のいない,町単独での聴覚障害に対する取り組みは,全くと言っていいほどなされていなかった.この現状を踏まえて,専門機関である大学と町との協働事業の成果についてここに報告したい.
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