特集 これからの国際保健医療協力
エイズ治療薬の援助と製造ライセンス問題
喜多 悦子
1
,
平川 オリエ
2
,
古賀 節子
2
1日本赤十字九州国際看護大学国際保健医療学
2日本赤十字九州国際看護大学成人看護学
pp.270-274
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902712
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アフリカでは,時にエボラ出血熱が流行する.また,元来この大陸になかったコレラが毎年流行し,いわゆる髄膜炎ベルトとよばれる北部アフリカ諸国では,相変わらず髄膜炎が広がる.ほとんどの国で,マラリアその他の熱帯寄生虫疾患が風土病化している1).これらは,医学的には,ウイルス,細菌,寄生虫の感染症である.アフリカ南部で猛威を振るっているAIDSの原因は,いうまでもなくHIVである.
開発協力は東南アジアをはじめ世界各地に改善をもたらした.平均寿命は62歳となり,乳幼児死亡率は半減し,初等教育就学率も倍増した.絶対数では,最大の貧困者を抱えているものの,アジアは前進した.それに対して,アフリカはひとり開発の波から取り残され,二重三重の負担にあえいでいる.
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