特集 公衆衛生の視点からみた事故予防
高齢者の事故予防
牧上 久仁子
1
1豊島区中央保健福祉センター在住保健医療
pp.260-265
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901867
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
事故には阪神大震災のような天災によるものや,いわゆる交通事故もふくまれるが,今回は日常生活における転倒・溺水などの事故を中心に述べさせていただく.
東京理科大学教授の直井英雄氏は建築安全学という立場から事故予防の研究をされている1).氏らは主として家庭内で発生する転倒や溺水などの事故を総称して「日常災害」と呼び,それとほぼ重なる語として「建築災害」という概念も紹介している.つまり住宅などの建築物の不備や,誤った使用が事故を生み出していると考え,事故の分析から建築のあり方を見直そうというスタンスである.直井先生のインタビューを建築関係の雑誌で初めて拝読し,「事故予防」にはさまざまな分野からのアプローチがあるのだなと思い,またそれが必要であると考えさせられたので,冒頭に引用させていただいた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.