報告
仙台市における新興団地の人口構造の分析
車田 松三郎
1
1東北大学医学部病院管理学教室
pp.296-299
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901022
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●はじめに
高齢化社会をめぐって,今後種々の問題が発生することが予想される.仙台市の場合,高齢者割合(65歳以上の全人口に占める割合)は全体として見ると全国平均を下回っているが,行政区を小区分してみると15%を超えているところもある.当然,高齢者の増加は医療施設サービスや福祉サービスに影響を及ぼす.特に現在,諸般の事情で施設サービスから在宅サービスが求められ,そのあり方が求められている.
他方,住民は高齢になると横の移動が困難になるために,できるだけ住宅地域に近いところに医療施設や福祉サービスを求めるが,現実は必ずしもそのようになっていない.特に医療や福祉サービスの場合,サービス区域が大きく,市民が要求するような便利さを満たすことができない.それを解決するためには,できるだけ小さく行政区分を取ることにより,住民のニードを把握する方法が重要である.
例えば,寝たきり老人の問題は「寝たきりにしない」ための解決策を考えることが必要である.それには木目細かな医療や福祉サービスの実現をはかることである.そのためには介護サービスなどのネットワークが必要であろう.寝たきり老人の近接地にサービスネットワークを実現する.
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