発言あり
年金
pp.149-151
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206827
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格差,負担の軋轢どう克服するか
厚生,国民,船員3年金の改正案が,厚相から社会保険,国民年金両審議会に諮問された.21世紀に向けて,欧米先進国を上回る高齢化社会が予測されるなかで,長期にわたって安定した年金制度を,と厚生省が準備を進めてきたものである.今回の改正の背景として①現行制度の"肥満体質"と制度間格差の是正②年金世代と現役世代のバランスの見直し③年金制度における男女格差の是正,婦人の年金権確立④障害福祉年金の差別廃止など公的年金の公平化を図り,長期的な制度運営の安定強化を確保するために,緊急に解決すべき時代の要請があった.それでは,これらの課題は「21世紀の年金の確立」をはかるための"大改革"にふさわしい前進がみられたであろうか.
公的年金制度は,国民の老後所得を相互扶助によって保障する仕組みである.これが国民の信頼を受けて正常に機能するためには,社会的公正,制度間格差の是正はとりわけ重要である.
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