特集 老人保健
老人医療と健康管理
小山 路男
1
1横浜市立大学・経済研究所
pp.521-525
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204131
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はじめに
最近,老人医療に対する関心がとくに高まっている.多くの論争を巻き起こした結果,東京都が70歳以上の老齢福祉年金受給者の医療費を無料としたのは昭和44年12月からであった.また,その前後から,全国の市町村で国保加入者を対象として老人10割給付を行なっている事例が増加しつつある.
このような一連の事実は,老人医療に対する社会的ニードがかつてないほど高まっていることを物語っている.医師でも公衆衛生の専門家でもない筆者が,あえて専門外の問題を考えてみたいのは,ことが医療保険さらには医療保障の根本にかかわるからである.周知のように,医療保険では抜本改正の大問題が関係審議会で審議中であるが,政府原案においても老齢保険制度の創設が重要な項目として取り上げられている.
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