特集 地区組織活動の再検討
主題
地区組織活動の課題と展望—社会変動の中で生きた活動となるためのビジョン
永田 幹夫
1
1全国社会福祉協議会
pp.184-188
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203222
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I.地区組織活動と社会変動
組織活動といわれるものは,それがいかなる種類のものであっても,すべて人間の社会活動の一つにはちがいないから,社会経済の動向に影響されて常に変化しつつあるといえよう。その変化は,ときには急激に,ときには緩慢に,あるいは潜伏状態のままで進行するが,とにかく常に活動の途上に多くのさまざまな問題をなげかけ,矛盾を生み出していく。組織活動はこれらの問題を排除し,矛盾を克服することによって進展するのであり,ある期間を経てふりかえってみると,そこには一定の成果とともに,組織活動全体として,その内容,方法あるいは性格にいたるまで,驚くべき変化が刻まれていることを知るということになるのである。
地区組織活動は,地域社会において住民が自らの生活の向上のために自主的かつ実践的な共同行動をすすめ,それを通して生活態度や意識を変革していくことをねらいとするものであって,その目的も内容,方法も住民生活に根ざすものであるから,社会経済の動向とそれによる生活内容の変化は,ただちに地区組織活動のあり方を左右することになる。
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