特集 精神衛生(I)
精神衛生活動の動向
津田 信夫
1
1厚生省公衆衛生局精神衛生課
pp.601-604
発行日 1959年10月15日
Published Date 1959/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202192
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I.はじめに
本年4月の世界保健デーのテーマは精神衛生であつたし,明年1960年は世界精神衛生連盟の主唱のもとに世界精神衛生年の行事が行なわれることになつている。
WHO事務局長M. G. Candau博士は,「精神病及び精神的,情緒的原因をもつ社会的疾患(例えば不良化,アル中,麻薬中毒,自殺等々)は極めて多く,所謂世界中の身体的疾患がもしこのような精神的疾患程多いとすれば,世の中は大変さわぐであろう。しかし世間はこのことの重要性に気付いていない。しかも精神不健康者の数は世界的に増加している。しかし幸なことに,精神病や社会的疾患の正しい理解や予防や治療は進歩している。精神病院は格子も鍵もない開放的な病院にかわり,自発的入院はそれにより増えている。又心理的な要因によつておこる身体的な疾病や,一般的にはそれが精神不健康のあらわれであるとは未だ気づかれていない或種の反社会的行為について,その原因や診断治療の方法がわかつて来ている。
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