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ウイリアム・クロフオード・ゴーガス
石橋 長英
pp.187-189
発行日 1951年3月15日
Published Date 1951/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200811
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いやしくも豫防醫學を語り公衆衞生を論ずる程のものはゴーガスの輝やしき業績を忘れることが出來ないであろう。以下ラムバート及びグツドウイソのメヂカル・りーダース中かちゴーガスに關する一部分を紹介したいと思う。
豫防醫學と衞生施設についての組織的な努力が最も輝やかしい成果をあげた實例はパナマ運河の建設工事であつた。この事業の完成の基礎は1898年の米西戰爭の後にキユーバ島を占領したアメリカ陸軍の軍醫達によつて置かれたものである。當時ハヴアナは世界中で最も不健康な都會の一であつた。それは一つには黄熱病が廣範團にわたつて發生しているためであり,又一つには腸チフスの流行のためであつた。この都市の衞生状態は實に言語道斷なものであつて道路は鋪装されていないし,ぬかるみの水溜りは到る處にあり動物の死骸は路上に幾日も放置された儘であつた。主婦達はごみを往來の上に投げすてるので諸所に塵芥の山が築かれていた。
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