特集 出生前診断
扉
pp.145
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102960
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妊婦の血液を用い胎児の染色体異常の可能性を調べる検査を受けることができるようになり,多数の妊婦が受診したことが新聞などで報道されています.この胎児の出生前診断については,羊水検査などが以前から行われていましたが,一部の妊婦を対象に限定的に行われてきており,今回の新しい母体血清マーカー検査のように広く普及する可能性のある検査ではありませんでした.今回の母体血清マーカー検査は,倫理的問題を抱えている可能性があるとともに,社会に大きな影響を与えることも予見されます.また,出生前診断の1つである着床前診断についても倫理的,社会的な影響力は大きいと思われます.
出生前診断や着床前診断は公衆衛生とは直接関係なく,また私たちが出生前診断について住民から質問を受けることは稀だと思います.しかし社会的影響として障害者差別を引き起こす可能性が想定されることから,私たちも出生前診断や着床前診断を知り,その問題点ついて理解しておくことは重要なことと思われます.そこで今回,出生前診断・着床前診断について勉強することを目的に特集を企画しました.
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